【謡曲を読む】新潮日本古典集成 伊藤正義校注『謡曲集 上』その1

ワキの意識をもって、日本の古典、謡曲を読みすすめてみる。〔名ノリ〕これは諸曲一見の者にて候。 【葵上】六条の御息所の怨霊が妄執の境涯を嘆いたのち聖の加持祈祷によって調伏の後、成仏にいたる劇怨霊が出てくる場面 われ世にありしいにしへは 雲上(ウンショオ)の花の宴(エン) 春の朝(アシタ)の御遊(ギョイウ…