エルンスト・カッシーラー『シンボル形式の哲学(三) 第三巻 認識の現象学(上)』(原書 1929, 岩波文庫 木田元,村岡晋一訳 1991) 分けすぎてはいけない

ドゥルーズを論じて千葉雅也は「動きすぎてはいけない」といった。カッシーラーの肝はおそらく「分けすぎてはいけない」というところにある。 現象学は現象学であるかぎり必然的に意味と志向性の領野にとどまるわけであろうが、その現象学が、意味に無縁なものを指示するということできるものだろうか。事実ここでは「感覚…