エルンスト・カッシーラー『現代物理学における決定論と非決定論 因果問題についての歴史的・体系的研究』(原書 1937, みすず書房 改定新訳版 2019)関数に凝縮された経験知

主著『シンボル形式の哲学』以後に展開した量子論のある世界での認識論。まだまだ古典力学の巨視的世界像のなかに住まい、量子論的世界に慣れない思考の枠組みをもみほぐしてくれる哲学書。 関数論的な捉え方を重要視するならば、問題はまったく異なった仕方で表現される。そのときには、原子の「存在」をめぐる問い、すな…