ジョン・ミルトン(1608-1674)『闘士サムソン』(原書 Samson Agonistes 1671年, 小泉義男訳註 弓書房 1980)

『闘士サムソン』は、旧約聖書『士師記』第一三章から第一六章までのサムソンとデリラとペリシテ人たちとの詩句に取材したミルトン晩年の劇詩。復讐劇。妻に裏切られ政治的に敗北し投獄されたうえに盲目での生を余儀なくされたサムソンに、清教徒革命と王政復古の時代を生きたミルトン自身の境遇を重ねて謳いあげた凝縮さ…