塚本邦雄『西行百首』(講談社文芸文庫 2011)

西行嫌いを公言していた塚本邦雄が70歳を越えてから雑誌「歌壇」に二年間にわたって連載していた異色の西行評釈。百首のうち曲がりなりにも褒めているのは三分の一程度で、それ以外は完全に否定しているか、もしくはほかの歌人や西行自身のエピソードを語るための入り口としてしか評価されていないような、不思議な書物…