読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ
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五味文彦「『一遍聖絵』の世界」(吉川弘文館 2021)
『絵巻で歩む宮廷世界の歴史』や『絵巻で読む中世』を書いた国文学者五味文彦が、鎌倉時代の名品、国宝『一遍聖絵』(1299)を単独で取り上げ解説した作品。主立った場面を図版で提示しながら、そこに描き込まれた社会や人々の様子やものの名を言語化して、視線を細部にまで導いてくれるところが良い。示されたものの名につ…