『薬屋のひとりごと』が映す、知と権力のジェンダー構造

知性が武器となる場所 日向夏による小説『薬屋のひとりごと』は、中華風の架空帝国を舞台に、薬師見習いの少女・猫猫が後宮で巻き起こる謎を解いていく物語である。一見すると、美しい宮廷を背景にしたミステリーエンターテインメントに思えるこの作品は、しかし読み進めるほどに、きわめて精緻なジェンダー権力論を内包し…