2-07『精霊たちの家』イサベル・アジェンデ/木村榮一訳

今心が何も信じられないまま 外の野原は、ようやく長い眠りから目覚めようとしていたし、夜明けの光がまるでサーベルのように山々の頂きを切り裂いていた。日差しを浴びてぬくもった大地からは、夜露が白い水蒸気となって立ちのぼり、まわりの事物の輪郭をぼかしていたので、あたりの風景は夢にでてくる情景のように思われ…