ウラジーミルの微笑
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095『傷ついた世界の歩き方――イラン縦断記』フランソワ=アンリ・デゼラブル/森晶羽訳
誰のものでもない 髪をなびかせ道の先には蜃気楼 イランを縦断してまだ一か月しか経っていないのに、僕は以前の自分ではなかった。旅の意義は、よその土地の景色に驚嘆するというよりも、新たな視点を持ち帰ることだろう。そして旅は時の流れを濃密にする。自宅での時間はあっという間に過ぎていくが、旅先の一日は一週間…