シネマラウンジ > DVD紹介 > 『第七官界彷徨 尾崎翠を探して』 尾崎翠のおもかげに捧ぐ 中村奈津子
かつて「幻の」と言われた作家・尾崎翠(1896-1971)の文章には、独特の世界観がある。彼女は、日本の自然主義文学を痛烈に批判し、感覚やイメージ、感情や心持ち(彼女の言葉を借りていえば、「頭で濾過した心臓」)がつかむ世界を大切にした。それらを平易な言葉に乗せて表現し、独自の感性とユーモア感覚あふれる、ファ…