第1回:「非母語という希望:言語論と文学の交差路へ」
「母語は、〈臨界期〉と呼ばれる時期を過ぎれば、取り換えがきかない」許多の人々はこの命題を素朴に信じているだろう。しかし、世には非母語をあたかも母語のように操り、非母語で創作活動を展開する作家たちがいる。いわゆる〈越境作家〉と称呼される書き手たちである。