幽い光、あいだの感触

たとえば「椅子」と名付けられたものを、名前のない「ただの物」として見てみる。フィルムを入れたカメラで撮影することで初めて見えてくる物があり、そこには偶発や発見がある。情報を失って輪郭から浮かび上がる新たな像。写真という行為にはそんな高揚感が伴うことがある。わたしの初めての写真集である『Voice』(青幻…