二十世紀旗手 (太宰 治)
序唱 神の焔(ほのお)の苛烈(かれつ)を知れ 苦悩たかきが故に尊からず。これでもか、これでもか、生垣へだてたる立葵(たちあおい)の二株、おたがい、高い、高い、ときそって伸びて、伸びて、ひょろ…