二十六夜 (宮沢 賢治)

      ※ 旧暦の六月二十四日の晩でした。 北上(きたかみ)川の水は黒の寒天よりももっとなめらかにすべり獅子鼻(ししはな)は微(かす)かな星のあかりの底にまっくろに突き出てゐました。 獅子鼻の上の…