職工と微笑 (松永 延造)

    序言 私は当時、単なる失職者に過ぎなかった。とは云え、私自身とは全体何んな特質を持った個体であったのか? 物の順序として、先ず其れから語り出されねばならない。 別段大きな特質を持たぬという点が…