変な音 (夏目 漱石)

上 うとうとしたと思ううちに眼が覚(さ)めた。すると、隣の室(へや)で妙な音がする。始めは何の音ともまたどこから来るとも判然(はっきり)した見当(けんとう)がつかなかったが、聞いているうちに、だんだん…