詩 (石川 啄木)

  啄木鳥いにしへ聖者が雅典(アデン)の森に撞(つ)きし、光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて鋳(い)にたる巨鐘(おほがね)、無窮(むきゆう)のその声をぞ染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。聞け、今、巷に…