道標 (宮本 百合子)

[#ページの左右中央]道標 第一部[#改丁]第一章一 からだの下で、列車がゴットンと鈍く大きくゆりかえしながら止った。その拍子に眼がさめた。伸子は、そんな気がして眼をあけた。だが、伸子の眼の前のすぐそ…