[1巻] 源氏物語 瀬戸内寂聴 訳 第一帖 桐壺 (其の一): 第一帖 桐壺 〈其の一〉

桐壺帝の寵愛を一身にうけていた更衣が若君をもうけました。  しかし、第一皇子の母である弘微殿(こきでん)の女御(にょうご)はじめ周囲の嫉妬や怨念が激しく、それに耐えかねたのか、病に伏し、里に下がって間もなく亡くなってしまいました。  悲しみにくれる帝は靫負(ゆげい)の命婦(みょうぶ)を更衣の母君のもとへ使わ…