小説「渚の処方箋」2話③

第三回:美と醜の調合 ​アトリエの空気が、一段と張り詰めた。 ​「わかりました。調合を始めましょう。……あなたが本当に求めている、最も獰猛な香りの調合を」 ​志乃はそう言うと、迷いのない足取りでデスクを離れ、棚の前に立つと、三十本弱のガラス小瓶を選び、そのまま作業台へと向かった。白衣の袖を無造作に肘の上ま…