《義血侠血》泉鏡花 - 巡り合わせの妙と、下された評決の先に残る絆|近代日本のロマン主義的文学作品

泉鏡花の小説、また戯曲は、第一に取っつきにくい。そしてどうにか取っついたとしても、読み進めるのが難しく、かつては紐解こうとしたけど断念してしまった。あるいはとにかく表現が晦渋だ。……などなど。現代、令和の時代を生きる読者にとって、鏡花の作品はそんな風に捉えられがちである。確かに諸手を挙げて「親しみや…