魂の瑕疵

ひとりの人間が抱ける限界まで膨らんだ大きな感情。それが動かされるとき、私たちの眼前に目を瞠るほど美しい紋様を綾なすのは、特定の物語の中だけだ。現実ではありえない。よく似たものはたくさんあるが、残念ながら、そのうち九分九厘は偽物なのである。物語、のなかには歴史も含まれている。だからもう生きてはいない…