《木の精のドリアーデ》より -「憧れ」の感情へ注がれる著者の優しいまなざしと近代文明批評|ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話

アンデルセンの紡いだ数々の作品は、いわゆる「昔話」と呼ばれる童話(ここではヨーロッパのものを指している)の形式や特色とはまた違った種類の魅力、すなわち近代の童話としての良さをたくさん持っている。ここで紹介するお話「木の精のドリアーデ」には、その発表の前年である1867年に開催された、パリ万国博覧会の壮…