エミリー・ブロンテ《嵐が丘》Ⅰ - この世で魂の半身に出会うことは幸運か、それとも悲運か|19世紀イギリスの文学

己の半身。あるいは魂の片割れ、とも呼べる「なにか」。果たしてそんなものが、本当にこの世界に存在するのかどうか、実際に確かめるすべなどない。だからその判断は個々の意識にのみ委ねられている。要するに問題は、当事者であるふたりが周囲の目にどう映るかではなく、ふたりのなかで互いがどのような場所を占めている…