マキリップの《イルスの竪琴》3部作で描かれる、時に過酷な旅と美しい情景

「そなたが、私がこれほどまでに愛した者でなければよかったのに」……人間が抱きうる欲望のうち、知を求める気持ちは私がとりわけ愛おしいと感じるもので、けれど同時に「知りたい」というのはとても危険な願いの発露でもあると分かっている。ある問いにうっかり手を伸ばした瞬間、その勇気ある頼りない腕は恐ろしいほどの…