由緒正しき旧家名家で起こった狂気と悪意の惨劇達。短編連作 米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」はゾクゾクする最後の一文が秀逸なホラーミステリの傑作

わたしたちは、いわば同じ宿痾を抱えた者なのです。 都度都度述べてきたように私は米澤さんの作品が好きなのだが、この人はともすればホラーを書く。 ホラーと言っていいのかどうかわからんが、ミステリに人の悪意と狂気を混ぜる手法が上手い。 いや、もうこれはホラーミステリと言っていいだろう。 特徴としては”何よりも…