角幡唯介 著『狩りと漂泊』より。極地探検家の目下の生き方。漂泊が、すべてを生み出すのだ。

このようなわけだから、計画にもとづいて効率性を優先するかぎり、どうしても人は、そのとき起きた予想外の出来事や、その土地ならではの生の風景を見ようとしなくなる。もちろん実際に風景を見てはいるのだが、それは単に網膜に像が映っているだけ、という話で、見えている風景にはなんの意味もないので、見ていないのと…