小川糸 著『針と糸』より。大きな決断をしなければ、見えない景色がある。

私にその意思さえあれば、ここで遊牧民として生きることだって、決して不可能ではないということ。自分はそれくらい自由で、どこにでも住めるのだ、とはっきり自覚したのである。そうしたら、ものすごく楽になった。自分をがんじがらめに縛っていたのは、他でもない、自分自身だったのだ。(小川糸『針と糸』朝日文庫、202…