今井むつみ 著『学力喪失』より。はじめに記号接地ありき。

磯田さんは子どものころ、倉敷市にある弥生時代の墳丘墓、楯築遺跡に、岡山の自宅から何度も通っていた。自転車で10㎞の道のりである。雨の後、土器のかけらを探しに来ていたそうだ。そして、小学生のとき、自分の身長くらいの古墳を作ったそうだ。古墳のモデルを作ってみると、どこが崩れやすいかがわかったのだという…