辻仁成 著『アンチノイズ』より。無音を含め、あらゆる音を肯定する。

フミがぼくの地図の中心だった。どこが好きなのかしら、と言ったフミの言葉がふいに蘇ってきた。ぼくこそフミのどこが好きだったのだろう。自分の気持ちを知りたかった。ぼくは自身に問いたいがために地図を作ってきたのかもしれない。(辻仁成『アンチノイズ』新潮文庫、1999) こんばんは。今日の子どもたちは落ち着きが…