内田樹 著『修業論』より。昨夜、師匠と会って思い出した「いい人」の話。

Aさんは「理」を見るしかたをシベリアで学んだ。それに対して、元参謀はついに「理」を見ることができなかった。帝国の瓦解について、それがどういう理路によって起きたことなのか、ひさしく超法規的統帥権を行使してきた部署の責任者のひとりとして、一言の弁疏があって然るべきだったにもかかわらず、その「理」は当事…