村上春樹 著『一人称単数』より。一人称単数として生き続けるためには、二人称や三人称が大事。

私のこれまでの人生に――たいていの人の人生がおそらくそうであるように――いくつかの大事な分岐点があった。右と左、どちらにでも行くことができた。そして私はそのたびに右を選んだり、左を選んだりした(一方を選ぶ明白な理由が存在したときもあるが、そんなものは見当たらなかったことの方がむしろ多かったかもしれない…