田舎教師ときどき都会教師
id:CountryTeacher
姫野カオルコ 著『彼女は頭が悪いから』より。いやらしい犯罪が報じられると、人はいやらしく知りたくなる
人間として生まれて来た哀しみを描くことが小説の重要なテーマとしたら、本作品はそれを見事に描いている。“無知は犯罪に及ぶ要因”という言葉があるが、この作品の一方の主人公である大学生は、無知の典型である。その無知は、勿論、彼等にも責任があるが、それ以上に、このように無知な若者を生み出した社会構造と、優越…