平野啓一郎 著『ドーン』より。分人主義と学校教育について考える。

《ドーン》みたいに、六人の人間が、ずっと一緒にいると、その間、たった一種類のディブしか生きられないでしょ? 宇宙空間のストレスは、本当なら、地上のあちこちに、自由にばら撒かれていたはずのディブが、発生する余地がないっていうことが大きいんだ。それは、やっぱり、……苦しいよ。人間は、ディブをそれなりにたく…