猪瀬直樹 著『黒船の世紀(下) あの頃、アメリカは仮想敵国だった』より。東京五輪未来戦記。作家の感度は、国民全体を反映する。

『海と空』の結末は、すでに記したような悲惨な東京大空襲で終わった。主人公は焼け跡に立ち、ひとりつぶやく。「戦争をするつもりなら、するだけの準備が必要だった。戦争をしないつもりなら、しないだけの心掛けが必要であった。するだけの準備もなく、しないだけの心掛けもなく、ただ勢いと感情に引きずられて漠然と始…