岩田健太郎 著『ためらいのリアル医療倫理』より。教育の世界には、教育の世界にふさわしい語り口がある。

僕は本書を「リアル」医療倫理と銘打ちましたが、医療倫理は(一部の神様みたいな極端な医療者ではなく)平均的な医療者が実行できる現実的なものでなければならないと考えています。リアルな医療倫理でなければ、それは絵に描いた餅になり、そこで偽善の温床が生じます。「倫理が偽善の温床となる」という皮肉を我々は受…