三浦英之 著『南三陸日記』より。「生きる」ということは、「守る」ということ。

卒業式の直前、教頭は生徒の作文を読んで驚いた。「津波が起きて『良かった』と思えるようになりたい」とある女子生徒は書いていた。 大切な人や家も失い、悲しくて、苦しくて、今はどうにもならないけれど、それをいつか「良かった」と思えるぐらい、自分は大きくなりたい――。 教頭は、「大丈夫だ」と自分に言い聞かせた…