三浦しをん 著『本屋さんで待ちあわせ』より。コロナ禍だからこそ、読書を。

本を読めば人格が磨かれ、知識が深まり、情緒が豊かになるかというと、そうでもないことは我が身で検証済みだ。むしろ、家に籠もる時間が多くなるので人見知りになり、脳内でこねる屁理屈だけは立派で、毒にも薬にもならぬ夢想に遊び疲れてさっさと就寝する。そんな人間ができあがる可能性が高い。 だから、読書が嫌いなひ…