西智弘 著『がんを抱えて、自分らしく生きたい』より。何もしないということを、する。

私は、研修医のころからたくさんの患者さんの最期を見続けてきて、いまは「何もしないということを、する」というのが良い場合があると思っている。医師として「何もしない」というのは勇気がいることだ。「もっとできることがあるのではないか」という罪悪感にさいなまれる。医師は、何かできることがあるなら、それがほ…