重松清 著『小学五年生』より。小学五年生はマジックアワーみたいなもの。

久美子ねえちゃんは、二年後に別の男のひとと結婚をした。今度のひとはおじさんやおばさんにすぐに気に入られて、少年の両親も「久美子ちゃんもこれで幸せになれるよ」と喜んでいた。でも、そのひとは、少年の歳の離れたお兄さんにはならなかった。少年はもう中学生で、久美子ねえちゃんに会っても、「こんにちは」しか言…