吉本隆明 著『ふたりの村上』より。学校、再開するってよ。かっこう。

(前略)そういえば「僕」という主人公も、フリー・ライターで三十四歳の独身の男の子にしては、できすぎている。つまり作者の精いっぱいの理念と感性と資質を与えられて、作者の理想と等身大になっている。社会的には比較的自由なゼロにセットされているのに、この「僕」はなかなかに偉大だ。これはどんなに読者の夢をか…