【創作短編小説『赤い正真正銘』――10、赤い父親】#660

10、赤い父親 翌日の月曜日は昨日の雷雨が嘘のように、さわやかに晴れ渡っていた。まだ桜の開花とまではいかなかったが、それも、もうじきだろうと誰もが思うほどの春の陽気な日差しに包まれていた。 その朝、小関はいつも通りに会社に出勤した。しかし、そのカバンには退職願が入っていた。一晩考えた末、やはり我慢な…