『俺は今日限り教師を辞める』~塾、存亡の危機~

夕方、授業の合間の時間、塾の入口自動ドアが開いた。 そこに立っていたのはスーツの男性だった。保護者様にしては少し若い。異様な雰囲気であった。 少しシワのついたスーツに、足元は革靴ではなく、スニーカーだった。その組み合わせが異様な雰囲気を出していた。 『私服刑事は、いざというときのために革靴は履かない。…