有限の生を装飾するもの

あなたへ そっと静かにあなたのその頬に手を伸ばしてみたけれど、 やはり期待通りの感触を得ることが出来ないままに、 あなたがくれたペアリングを眺めていました。 右手の薬指。 このリングのかつての居場所で、その感触を確かめてみれば、 私の中へと蘇ったのは、このリングを初めて付けたあの日の気持ちでした。 あなた…