拝啓、空の彼方のあなたへ
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亡き夫と過ごした7日間 30
教会の扉が、ぎい、と古びた音を立てて開いた。 秋の風が石の回廊を通り抜け、かすかに香炉の残り香を揺らした。 彼は足音を忍ばせながら、ゆっくりと中へ入っていった。 祭壇の蝋燭の光が、長い影を床に落とす。 ここは、彼が幼い日々を過ごした場所。 寒さをしのぎ、空腹に耐え、夢だけを抱えて祈っていた、あの礼拝堂だ…