『破局』遠野遥(著)の感想【不穏な語り手】(芥川賞受賞)

不穏な語り手 「信頼できない語り手」という言葉があります。 主人公の語りが信頼できなく(嘘のようで)、読み手を惑わすことです。 『破局』の語りは、信頼できないというより、読んでいると不穏を感じます。 主人公は、公務員試験を控えている大学4年生です。 高校まではラグビー部に所属しており、今はコーチとして高…