『水と礫』藤原無雨(著)の感想【小説の外に広がる世界】(文藝賞受賞、三島賞候補)

小説の外に広がる世界 磯﨑憲一郎さんは選評で、 小説とは、作者の思想信条や問題意識を披露する場ではないし、溜め込んだ苦悩を吐露するための媒体でもない、具体性を積み上げることで自らの外側に広がる世界を照らし出し、作品という形で現前させる言語芸術なのだ と書いています。そして『水と礫』がそういう小説だと言…