それはまるで幻聴のような、わたしにとってだけ意味を成すことばを置いておく

// 元ヤングケアラーだった、らしい。 ヤングケアラー、というアイデンティティを自らに見い出したのは、つい数カ月前のことである。歳上のお友達とお茶をしていて、流れでわたしの過去の話になって、その方の口からこの単語がまろびでたのだ。「そうか、呉樹さんはヤングケアラーだったんだね」と。 言葉としては、もちろ…