おばあちゃんの魔法(安曇野エッセイ賞 応募作品)

真冬の夜風に凍えながら、細い道をゆっくりと歩く帰宅途中のサラリーマン。その横を少しイライラしながら、強くアクセルを踏み込んだ。仕事を終えたばかりのぼくには少しばかり酷な、横浜から長野県までの長いドライブが始まった。目的地はぼくが生まれた病院であり、今まさにおばあちゃんが癌と闘っている安曇野赤十字病…