不快な存在 (創作短編小説)1/6

順番待ちの外来患者が、ようやく片手で数えられるほどになっていた。お昼で終了するはずの診察時間はもうすでに二時間は超過している。昼食を昼にとれないのはいつものことだが、その日の片岡にはかなりこたえていた。 要領を得ない老人との面談にも気長に付き合えることで評判の片岡だったが、その日は自分でも驚くほど厳…